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Plone用語解説

Plone 3.3での日本語訳の変更に伴い,Plone用語の解説を作りました.

Ploneの日本語翻訳ファイルはPlone 3.3用に2009年4月〜5月にかけて大幅な変更を行いました.

以下にその重要な部分を解説します.

句読点:、と。=>,と.
今まで,存在感がありすぎて,短い文のところでは省略したりしていたのですが,やはり統一感のない画面でした.今回の変更により句読点が目立たなくなり,全体にすっきりしました.句読点のありなしによる統一感のなさも少なくなりました.てんまる(、。)のほうが一般的ではないかとの指摘もありましたが,現代日本語の句読点はてんまる(、。),カンマピリオド(,.),カンマまる(、。),どちらもまったく用いない(賞状など)の4つの使われ方をしており,特に前の3種は通常の文書においてどれもそれなりに使われています.私の書棚を調べてもこの3種類がありました.利用環境の要件で句読点記号を変換しなければならないときのために,日本語の句読点はカンマピリオドでも全角文字(UTF-8なので多バイト文字)にしてあります.ですから翻訳ファイル(.poファイル)をテキストエディタを使って一括で文字変換することができます.あるいは句読点の置き換えと同時にいくつかの用語も置き換えるような簡単なPythonプログラムを作るのも良いでしょう.蛇足ですが,これはPloneのシステムメッセージについての句読点表記についてであり,コンテンツ自体についての話ではありません.コンテンツでの句読点はどの文字でも自由に使えます.また頻繁に見る短いメッセージにはほとんど句読点を入れていません.
現在の場所=>現在位置
ブレッドクラムの表記(you are here)を現在の場所から現在位置に変えました.これは,街中にある案内図で,「あなたは今ここにいるのです」ということを表す表現ですが,いろいろと案内図を観察してみた結果,1文字短い「現在位置」にしました.より引き締まって見えます.
表示=>ビュー
コンテンツ枠の中のタブが,コンテンツ,表示,編集とありましたが,今回から表示をビューに変えました.これは意味が違ってきたと考えるからです.サマリービューとあ,テーブルビューとか,サムネールビューとかをデフォルトビューとして選べるようになりましたが,この旧表示タブが意味するのはこのデフォルトビューのことです.別の言い方をすると,「眺望」を見るためのタブです.
画像=>イメージ
いつやろうか決めかねていたのですが,今回変更しました.これは将来svgやpdfを扱うイラストレーションコンテンツタイプが登場するときのための用語変更です.「画像」というと,PhotoshopやGIMPが作り出すビットマップイメージと,IllustratorやInkscapeが作り出すスケーラブルベクターグラフィックスの両方を意味してしまいます.イラストレーションコンテンツタイプについてはまだPLIPはなっていませんが,IE以外のほとんどのブラウザは何年も前からサポートしており,2005年のPlone Symposiumでも発表がありました.http://plone.org/events/regional/nola05/collateral/Jeff%20Pittman-ITIP.pdf まだPLIPに上がっていませんが,今回先手を打って変更しました.
リンク保全性/完全性=>リンクインテグリティ
たとえば,あるページがある画像をページ内で表示しているときに,もしその画像を削除してしまうと,ページのその部分には何も表示されなくなってしまいます.そのような事故を防ぐために,他からリンクされているものを削除しようとすると,注意が出てきます.何と何で使っているけど,本当に消していいの?と.この機能の日本語表記にブレがありましたが,今回リンクインテグリティに統一しました.
管理者=>マネージャ,アドミニストレータ
今まではmanagerロール, administratorグループどちらも管理者にしていたのですが,ワークフローが増え,ロールとグループも増え,out-of-the-boxでより大きな組織へ配慮がなされてきました.デフォルトではadministratorグループにmanagerロールが割り当てられていて実質的な違いはないのですが,大きな組織ではカスタマイズされて別の人に割り当てられるものです.たとえば,administratorにmanagerロールを持たせずにreader, owner, member,editor, contributorのロールを持たせたり,あるいはManage usersとManage Groupsのパーミッションだけを持つロールを作り,managerの代わりにそれを持たせたりです.このような意図から用語を分けました.管理責任者と管理担当者というのも考えたのですが,視認性と開発者の作業環境における使われ方などを考慮してカタカナにしました.
状態名:保留=>保留中,公開=>公開済,外部公開=>外部公開済,内部公開=>内部公開済
動詞として使われている場合と,状態名として使われている場合を見て分かるようにしました.以前より限定的で具体的な状態が想像できると思います.
ロールの名前:貢献者=>提供者
contributorというのは,今までコンテンツのメタデータの所にしかなかったのですが,ロールとしても定義されました.contributorロールは,コンテンツを作るだけで,承認したり,コレクションを作ったり,アイテムにコメントを付け加えたりできません.今回よりはっきりとコンテンツ素材を提供する人ということで,提供者に変えました.
条件と基準
今回,条件と基準を分けて表記しました.conditionは条件,criterionは基準です.条件は画面右上にある検索ボックスの枠の中に入れるものです.基準はコレクションの基準タブで設定するものです.どちらも検索するときに検索されるものが探しているものかどうかを判断するための材料となる情報ですが,条件は動的なものであり,基準は静的なものです.つまり条件は検索ごとにその内容が変わるのに対し,基準は何度検索してもその内容は同じです.コレクションで設定するものはまさに基準です.一旦設定されると,コレクションは呼ばれるたびに何度でもその同じ中身の材料を使って検査します.一方,検索ボックスでは,人間が毎回その時に欲しいものを手で入力するので,毎回異なる内容になるでしょう.マイクロソフトでもECMソフトウェアではcriteriaに基準という用語を使っています.こちらで調べられます=> http://www.microsoft.com/language/en/us/search.mspx
コレクション関連の訳を改善
コレクションの基準設定関連の訳を一新しました.わかりやすくなっています.
Kupu関連の訳を改善
Kupu関連の訳も多少変更しました.kupuの新しいリリースが出ないために今までの改善がPloneに反映されていないことがわかったので,今回はPlone 3.3の前にkupuのリリースもするように手配しました.