Plone 3.0 新機能紹介
この文書はPlone 3.0の新機能や既存の機能についてまとめています。
翻訳者註(2007.09.28):この文書は http://plone.org/products/plone/features/3.0/referencemanual-all-pagesに記載されている文書のうち、Plone 3.0の新機能についての部分のみを訳出したものです。サンプル画像については、英語版を転用しているため、日本語環境とは異なる画面であることをご了承ください。
1.1 インライン編集
Ajaxの導入によりコンテンツの編集や確認作業が効率的になりました。表示されているコンテンツの一部をクリックするだけで編集でき、誤字の修正やイベントの日時変更ができます。ちょっとした修正のためにページをリロードしたり、別の画面に遷移することはなくなりクリックするだけになりました。間違いをしたら? 大丈夫。Ploneですぐに修正箇所を直せます。
1.2. Working Copy support
作業コピー(ワーキングコピー)をサポート作業コピー(ワーキングコピー)を使って同じドキュメントを平行して作業できます。すでに公開済のコンテンツがあって、その内容を新しく更新したいが現状のバージョンも更新作業が終るまでの間掲載しておきたい。あるいは既存のコンテンツを新しいコンテンツで置き換えたいが、万一に備えて古いものも履歴として保管しておきたい。 おそらく皆さんそういった経験があるでしょう。
もちろん既存のものを複製して編集し古いものを置き換える、といった方法でもこうしたことは可能ですが、Plone 3.0ではもっと簡単に対応できます。それが「作業コピー(ワーキングコピー)」という機能です。
公開済みのコンテンツを「Check-Out」して、平行して編集可能な作業コピーを作ります。Ploneはこの2種類のコンテンツの変遷を管理でき、作業コピーを推敲して完全なものとしたところで、これを新しいバージョンとして公開できます。
この操作の裏側でPloneは古いコンテンツを同じ場所同じURLで新しいコンテンツに置き換え、古いものをバージョン履歴として管理しています。
1.3 リンクや参照の完全性のチェック
不注意によるコンテンツの移動や削除を防止します。おそらく他の誰かがリンクしたり参照しているページや画像を削除してしまったことがあるでしょう。互いにリンクしたり参照し合ったりする多量のコンテンツを操作していると、その相互関係を管理するのは非常に大変な作業となります。
Ploneはこうしたことを防止します。
参照:Plone中のどこかで参照されているリンクやイメージがあるとき、Ploneはその情報を管理しています。もし誰かがあなたの制作したドキュメントの中でリンクしている画像を削除しようとすると、その画像は他の人のコンテンツの一部として使用されていることを伝える警告が表示します(もちろん警告を無視して削除を続行することもできますが、少なくとも警告を見た後になります)。
コンテンツの移動:ページ、画像、ファイル、どの種類のコンテンツであっても、サイト内で移動された時はそれをトラッキングして以前のリンクが壊れてしまわないように、新しいリンク先にリダイレクトされるようになります。
前記2つの機能が合わさって、利用者がリンク切れでフラストレーションを感じることを少なくします。
1.4 自動ロックとロック解除
同じコンテンツを複数の編集者が互いに上書きしてしまうことを防止しますが、誤ってロックされたコンテンツのロック解除も簡単です。
同じコンテンツを二人で作業しているときに、一方がもう一方の編集内容を上書きしてしまうことは望ましくありません。Ploneは、そのドキュメントが誰によって、どれくらい前にロックされたかのメッセージを表示します。それによって無意識に他の人の編集作業を無駄にしてしまうことを防止します。
しかし、そのロックを解除することも簡単です。例えばジョンが10日前にロックしたドキュメントがあり、それを編集したいときに、ジャマイカに休暇に出かけているジョンの帰りを待ったり、システム管理者を呼び出したりすることなく、ドキュメントのロックを解除できます。
1.5 共同作業や共有を簡単に
コンテンツのアクセス権やどのように変更する権利があるかなどを簡単に制御できます。
Plone 3.0のフォルダ共有
コンテンツの作業においてもっとも重要なことの一つは、そのコンテンツを特定のユーザーで共有し、それぞれ異なったアクセス権を与えることです。Ploneでは、簡単にアクセス権をコントロールできます。
- 閲覧
- 編集
- コンテンツの承認と公開
- 新しいコンテンツの追加
こうした権限をユーザー単位、あるいはグループ単位で管理できます。
1.6 コンテンツのバージョニング、履歴、復活
誰がドキュメントで作業しているのか、加筆をしたのが誰かを簡単に知ることができるだけでなく、必要な場合には、ドキュメントの初期のバージョンに遡って戻すことができます。
Ploneのバージョニング機能において次のことが可能になります。
- 自分の編集経過の全ての履歴の参照
- 同一ドキュメントにおいて他の人が行った変更との比較
- 編集前の初期状態への復帰
二つのドキュメントのバージョンの比較例
誰がいつ変更を行ったかについても知ることができます。
1.7 ビジュアルHTMLエディタのアップグレード
Plone 3.0は、ビジュアルHTMLエディタ「Kupu」の最新版1.4を採用しています。
Plone 3.0は下記のような新しい機能を備えたKupu1.4を搭載しています。
- イメージ挿入時の画像リサイズ機能
- 自動画像キャプション機能
- Flashコンテンツの挿入をサポート
- 文字スタイル(段落スタイルに加えて)
- 自動目次テーブル生成やページアンカーへの直リンクを含むHTMLアンカータグをサポート
Kupuの画像アップロード画面
1.8 高度なワークフロー機能
企業の組織構成モデルの適応や承認プロセスの管理が簡単に行えます。
個々の企業や組織で異なるものの、ほとんど同じようにコンテンツの公開処理や各タスクの責任所在の管理、あるいはコンテンツの公開、失効時期の管理を行っています。
Ploneの高度なワークフロー機能により現実社会での管理モデルを容易に適応できます。セキュリティや監視の役目(ロール)、イベントの起動などにより、全体の中でいつ何が変更されたかを管理する仕組を柔軟に設定できます。これにより、すべてのコンテンツを的確に管理でき、サイトがどうなっているかの最新の状態を得ることができます。
Plone 3.0のデフォルトは以下のワークフローが設定されていますが、これらをカスタマイズして独自のものとすることもできます。
- 簡易発行ワークフロー
- イントラネット/エクストラネットワークフロー
- コミュニティワークフロー
- 単一状態ワークフロー
1.9 認証システムの連携
ログインアカウントやパスワードを一元管理して、組織内の既存のシステムと統合できます。
あなたの組織内に既になんらかのログイン認証システムが存在するのにPlone用に別のアカウントやパスワードを発行したくないでしょう。そのためにPloneには認証システムと連携する機能が備わっています。
デフォルトのPloneは、自身の認証システムとOpenIDをサポートし、無償で入手可能なプラグインを使用することでLDAPに統合できます。
1.10 Word、PDFドキュメントのテキストインデックス化
PDFやWordドキュメント内の検索が可能になります。
Webサイトには多くのPDFやWordドキュメントがあります。Ploneは自動的にサイト内のPDFやWordのドキュメントのテキスト情報をインデックス化します。他のフォーマットのサポートを加えることも可能です。
Ploneの革新的なライブサーチ機能により、利用者は全サイトからすばやく簡単に目的のコンテンツを見つけ出すことができるのです。
翻訳者註:翻訳時では日本語のインデックス化に関しては未確認です。
1.11 コレクションズ
プログラムコードを書くことなく、動的な検索、レポートの作成、問い合わせが行えます。
コンテンツマネジメントとは、単にコンテンツを追加、編集、承認することではありません。利用者のコンテンツ関連例の理解を助けることも重要な役割です。
テキストとメタデータの内包は、CMSプロダクトがもっと柔軟でよりゆるやかなフォルダスキームを可能にしました。特定のドキュメントやファイルがどこに保存されているかを記録しておくためのプロセスを開発するのでなく、詳細な検索結果をコレクションとして保存できます。面倒な作業なしで必要なコンテンツにアクセスできます。
Ploneは、このアイデアをもっと強力に簡単に実現しています。先週マーケティング部が制作した新しい情報がすべて欲しい、進行中のプロジェクトに追加された最新の情報のリストを自動的に更新したい。コレクションはこうした要望のソリューションとなります。
Plone 3.0での「コレクション(以前のバージョンではスマートフォルダと呼ばれたもの)」は、検索結果の保存だけでなく、規則化した参照内容も保存することができます。これを利用すると、レポートをリスト化しドキュメントのテキストの先頭部分を表示できます。
コレクションを作ることはシンプルな作業であり、一行もHTMLやプログラムを書くことなしに表示をどのようにするか決定できます。
またコレクションはRSSに対応です。簡単なブログなら数クリックでできてしまいます。
1.12 プレゼンテーションモードに対応
プロジェクタへの表示や印刷に対応したスライドを簡単に制作できます。
Ploneのページコンテンツはスライドプレゼンテーションに変換できます。印刷バージョンではテキストのみとなるため、プレゼンテーションがより簡潔に読みやすくなります。
Plone 3.0でのプレゼンテーションモード
この新機能はFirefox, IE, Opera, Safariといったすべてのモダンブラウザで動作します。
1.13 検索エンジン向けのサイトマップの生成
サイトのすべてのコンテンツが正しく検索エンジンに登録されるようにします。
Plone 3.0は公開済のコンテンツが適切にインデクシングされるように、標準的なサイトマップをサポートします。このサイトマップ形式はGoogle, Yahoo, MSNといった代表的な検索エンジンがサポートしてします。
1.14 複数のマークアップフォーマットをサポート
もしあなたがビジュアルHTMLエディタよりもテキストベースのマークアップでコンテンツを制作するのが好みでも大丈夫。
少なくない人たちがWYSIWYGエディタよりもテキストベースのフォーマットを好みます。もしその一人だとしても大丈夫です。Plone 3.0では以下のフォーマットをサポートしています。
- Markdown
- Textile
- Structured Text
- Restructured Text
- Plain Text
これ以外のフォーマットをプラグインによりPloneで利用することができますし、どれをサイトで利用可能とするかを管理できます。
1.15 Wikiをサポート
ドキュメントの記述やリンクにwikiマークアップが使えます。
Ploneは、すべてのドキュメントでサポートできるように、wikiフォーマットに独自のアプローチをとっています。つまり、プレインテキスト、あらゆる種類のテキストベースのマークアップ、HTML、さらには表示変換を設定すれば WordやPDFでもサポートできます。
よくあるwikiの不満点は、アクセス制御が貧弱だということとサイト構造がよくないということです。Ploneにおけるwkiのアプローチは、Ploneならではの安全で高機能なCMS上でwikiの簡単なコンテンツ作成とリンク作成の恩恵を受けることができます。
これがWikiです。Wikiの後味なしの!
1.16 「前へ」「次へ」の自動ナビゲーション
フォルダ内にどんなコンテンツがあっても、自動的に「前へ」「次へ」のナビゲーションが付きます。
しばしばユーザーは、現在閲覧しているフォルダ内のコンテンツから移動することなしに次のコンテンツを見たいと要望します。
Ploneはどんなコンテンツに関わらずこの機能を提供します。フォルダオブジェクトの「編集」タブから「その他」を選んで設定できます。
1.17 コンテンツのルール設定
コンテンツへのイベントが生じると指定した処理を起動できます。
サイトのある場所にレポートをアップロードされたらプロジェクトグループのメンバーにメールで通知したい、あるいは、特定の期日を過ぎたら自動的にファイルを別にしたいといったことはありませんか?
Plone 3.0は高機能で調整可能なルール設定機能を内蔵しており、どんなイベントをトリガーとするか、どんな処理を実行するかを定義することができます。
1.18 目次の自動生成
長文のドキュメントのナビゲーションを生成します。
ときには1ページで長いドキュメントになることがあります。この場合、閲覧者が素早く目的のセクションを読むことができるようにするには目次を設けることが唯一の方法です。
しかしそうした目次とリンクを手作業で作るのは間違いもおきがちですし、退屈な作業であるとこは言うまでもありません。そこでPloneでは、自動的に生成・更新される目次(table of contens)生成機能を実装しました。またヘッダをもとにドキュメントの階層的な章構成もサポートしています。
退屈で面倒な作業から解放され、ドキュメントは読みやすく、アクセスしやすくなります。
1.19 ポートレットエンジン
自サイトのサマリーと同様に他のWEBサイトの情報を自分のWEBサイトに掲載することができます。
Plone 3.0には、書き直され機能強化されたポートレット・エンジンが実装されています。これにより簡単にニュース一覧やレビュー一覧、あるいは他サイトのRSS,Atomフィードをコンテンツの一部として表示できます。
RSSフィードの例
1.20 プロフェッショナルによるサポート、開発、ホスティングやトレーニング
Plone 3.0のリリースに合わせて、世界中のプロバイダ、サイト、導入事例がわかるPlone Networkサイト(http://plone.net)がオープンしました。
Ploneは単なるソフトウエアではありません。Ploneの重要な機能は実際にサポート、開発、ホスティング、トレーニングしている組織や企業からなるコミュニティで議論されています。
Plone Networkサイトには、40カ国以上の様々な規模の175を超えるPloneソリューション企業が掲載されています。Ploneをベースに開発されたサイトやその企業のケーススタディが掲載されています。
Plone Network は最近スタートし、急速に成長しています。そしてすでに、皆さんがPloneによるサービスを受けたいとき、近くにあるPloneプロバイダを見つけ出すための価値ある情報源となっています。
翻訳:本多重夫 shige@ricerco.com
